ときには「こだわりがない」という身軽さも楽しんでみる。

余計な物を持ちすぎない身軽さと同じくらい、物事の考え方や感じ方についての身軽さにも関心があります。

「こだわり」というものに関しても、目には見えない重さや軽さを感じられるもののひとつかもしれません。時と場合によってそれが、よい方面にもそうでない方面にも働くからでしょうか。

(「こだわり」という言葉はそれほど好みではないけれど、わかりやすく伝わりやすいことや、他に言い表しようがなかったりするので、つい便利に使っています)

 

自身がつまらないことにこだわったり何かを気にしすぎだと感じているのに、なんとなくそこからうまく抜け出せないような気分になるとき。

著名な方々のふとした発言が頭の中に浮かんできて、少し気が楽になったり肩の力が抜けるように感じることがあります。

そんな中で、「こだわり」がある部分とそうではない部分のアンバランスさも、なんだか素敵だなと思ったいくつかをあげてみたいと思います。

(と言っても、いずれも些細なことばかり。最近、ふとした瞬間に思い出したり振り返ったりして、ちょっと微笑ましい気分になったり、気持ちが軽くなるような感覚を持てたりしたという話です)

こだわりがないことにも魅力や身軽さがある。

こだわりのある・なしという定義も、なかなかわかりにくことなので。ここでは単純に、私が身軽な感じでいいなと思ったこだわりのなさ(なさそうに見える)について、時々思い出すうちのいくつかをあげてみます。

◆クリエイター・映像作家/高城剛さんの本の内容から。

 

『LIFE PACKING(ライフパッキング)【未来を生きるためのモノと知恵】』

 

『LIFE PACKING2.1―未来を生きるためのモノと知恵―』

 

著者の普段の持ち物が紹介されている本で、持ち物も各エピソードも興味深いです。(出版から年数も経っているので、今の持ち物はさらにアップデートされていそう)

中でも印象に残ったのが、クリアカードケースやモビロンバンドのこと。

数々の高価なガジェット類と一緒に、それとは正反対の簡易なアイテムも愛用していて、そのギャップも面白いです。

 

●カード入れ兼メモ帳用のケースが、とてもシンプル。(↓ このようなケースにクレジットカード類、免許証、ヨーロッパの労働許可証、名刺、絆創膏、頻繁に行く国の交通プリペイドカードやSIMカードなどを入れ、メモ帳としての少し大きめの付箋(ポストイット)を貼り付けて、ボールペンを挟んでいる)

 

●(引用:『LIFE PACKING 2.1』より)

誰が言ったか知りませんが、金持ちは長財布を持っているそうです。ところが僕は「財布」というものを、生まれてからこのかた持っていた記憶がありません。

という一文もなかなか衝撃的。(お札は輪ゴムでまとめてポケットに入れている。あるいは、お茶が入っていたケースに入れている。ちなみに、すぐに切れる輪ゴムと決別し、その後モビロンバンドというものでお札を留めているらしい。最強の結束バンドだそう)

 

著者のファンなどでこれらを真似る人も多いようです。私の場合は単純に、変な思い込みや固定概念を外せそうで面白そうと、手持ちのカードケース(クリアカードケースと似たようなもの)で、本の中の写真を参考に試してみましたが、若干使いづらさや心もとなさもあり、残念ながら今の生活用途には合いませんでした。

それでも、ちょっと身軽気分を味わえて、試している間なんだかとても楽しかったです。(周囲に見られると引かれてしまう可能性もあり、できるだけ気づかれないようこっそり試しました・・)

 

カードケースや長財布にこだわりを持つ人も多いけれど、こういうのを見ていると、本当に人それぞれ。一見無造作なようでいて、合理的かつ身軽。自由でいいなと。

◆建築家・デザイナー/佐藤オオキさんの話から。

何年か前に、テレビのとある番組で話されていたことが印象に残っています。

デザインについて常に多くのアイデアを持ち、微細にこだわりを持ってあらゆることを考えているに違いないのに。ご自身が使う文具(ペンやノートほか)などに特別なこだわりはなく、何でもよいと話されていたことがとても意外でした。

おそらく生活の中で様々な愛用品もあるとは思いますが。すべての物にこだわりを持っていそうというイメージとは少し異なって、緩急があるというか。ほどよい抜け感に精神的な身軽さを感じました。

◆作家/石田衣良さんの話から。

以前、podcast(インターネットラジオ)の番組で話されていたことが、少し意外で記憶に残っています。

(石田さんの小説は昔いくつか読んだことがあるくらいですが、音楽などにも詳しいようで、様々な物事にこだわりを持った方という印象を勝手に持っていました)

番組内では読者からの質問に答えつつ、食べ物について話されていて。(本業以外の人の)食べ物などに関するうん蓄を聞くのが苦手なようで、面倒だと語られていた記憶が。

もちろんよく行く好きな飲食店もあるようですが、食べ物飲み物等に関して大きなこだわりはないのだとか。

内容的にはややキツめなことを言っていても、ご本人の話し方のせいか妙に爽やかに聞こえ、それも面白く好印象に感じた覚えがあります。

 

飲食のことに限らず。誰かのこだわりや知らない話を聞けるのは興味深いことでもある一方で、自分の知識のなさを感じて気後れしたり面倒に感じる、という場面もありがちです。

なので、この話を聞いたとき、くすっと笑えてちょっと気持ちが軽くなるような、何かにこだわりすぎないのもいいなと。そんな感覚を持てたように思います。

 

・・・

上記にあげたいずれにも、「こだわり」というものに関して、アンバランスなようでいて絶妙なバランスが保たれているような、不思議な心の身軽さを感じました。

 

ある部分では様々なこだわりや執着がある一方で、わりと何でもよいと思っている部分もあったり。多くの人が、相反した面を自身の中に共存させているのだと。そんなふうに考えると、なんだか肩の力も抜けそうです。

何も高価なものばかりがこだわりの品というわけでもなく。ただ使いやすかったりちょっと気に入っていたりする程度でも、物との距離感は充分心地よく保たれるのかも。

***

著名な人でも身近な人でも、誰かのちょっとした言動が、思いがけず自分の心を軽くしてくれたり風通しをよくしてくれたり。そういう記憶は、意外と時間が経ってから、不意に頭の中に浮かんでくるから面白いです。

 

心を軽くしてくれる言葉やエピソードは、人それぞれ異なるものですが、こういうストックならいくら増えても困らないなと。

何かにこだわりを持つことももちろん素敵なこと。一方で、気分が疲れていたり、些細なことに縛られているように感じるときは、少し視点を変えて、こだわりを持たない素敵さや身軽さを思い出してみるのも、なかなかよいものです。

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